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こっちにも蛇足(エール・フランス)

記事番号:56
投稿者名:kita
投稿日時:2000/07/26(水) 23:28:00
エール・フランス機の事故について。

Q1:なぜ離陸を中止しなかったの?
タワーからの指摘は、滑走開始後60秒弱たってからです。
デルタ翼機がVr(離陸速度)に到達するまでの時間は知りませんが、国内線旅客機は90秒程度です。
また、飛行機はV1(離陸決断速度)を超えると、エンジンが1基停止しても、離陸を続行せねばなりません。
(福岡のガルーダ機事故は、この判断を誤り、オーバーランしたものです)
ということで、事故機はすでにV1を超えており、乗務員の判断は正しかったと思われます。

Q2:それならどうしようとしたの?
NHK10時のニュースによれば、ル・ブルージェ空港に向かおうとしていた、とのことです。
異常確認後、即座に乗務員はエマージェンシーをコール、折り返しド・ゴールのタワーから指示が出ており、
また、ル・ブルージェのタワーは滑走路閉鎖を宣言、事故機の到着を待っていたと思います。
もっとも、2つの距離からすると、ル・ブルージェの管制もド・ゴールのタワーが行っていたのかもしれませんが、
詳細は私には分かりません。

Q3:なぜ力尽きたの?
エンジン2基停止では如何ともしがたい。
離昇時は人間・機械ともに余裕がありません。
エンジンも離昇出力といって、時間制限つきで特別高出力な運転を許しているほどです。
デルタ翼機の失速特性はいい(失速しにくい)と思いますが、
形状上翼舷長(幅)が短く、補助翼面積を充分確保できないので、低速でのコントロールは難しいと思います。
いずれにせよ、主翼構造と油圧が熱で破壊されれば、アウトです。

Q4:地上の被害はさけられなかったの?
避けられません。乗務員は最後の瞬間まで努力を続けたと思います。
特にこの飛行機はエール・フランスのフラッグシップ(艦隊旗艦)ですから、乗務員も相応の人間が配置されていたと思います。
(フラッグシップという表現には異論があるかもしれませんが、フランス人の気質を考えると、そう間違ってはないでしょう)

参考:
墜落!の瞬間(青山出版社、1,900円)+墜落遺体(講談社、1,500円)  この2冊は、この順番で、セットで読んでください。
もうすこし深く知ろうと思われた方、いち飛行機ファンから、お願いします。

間違いがあれば直してください。よろしくお願いします。


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