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タイトル:Re:創作小説:「真夏」の感想
投稿者 :Last Bird (http://www2t.biglobe.ne.jp/~autumn/white.html)
投稿日時:1997/04/28(月) 23:18:20
引用記事:147
どうも、こんばんは、Last Birdです。
「真夏」の感想ではないのですが、「海育ちの風」における色についてです。
〉関隼氏の「真夏」は、興味深く読めましたが、一個所だけ、とても気になるところがありました。
〉「海育ちの風」は、いえ、のみならず岡野史佳先生の作品は、“色”を大切にしています。
「海育ちの風」とくに色に気を使っているような気がします。
〉が、「真夏」に於いてそれは、まるで引っ掛かっただけで通りすぎてしまったような気がしてなりません。
〉「真夏」の“色”は、「闇に沈む鉛色」と「その日初めての太陽の光を浴びて変化する海の色」ですよね。
〉 “全ての色が混沌となった鉛色”-->
〉 “朝日を浴びて万華鏡のように輝く光”-->
〉 “かつてカンバスの上に写し取りたいと望んだ《海の青》”
〉 へのグラデュエーションをもう少し突っ込んで書いてほしかった。
〉たとえば、この時の岸田(闇の中の鉛色)から、高校時代に見つけた宝物(海の青)を取り出す為には、
〉太陽の光(=青木知也子)が必要。
青木知也子という名前はとても色を意識してますよね。
「あおき ちやこ」
「あお」はそのまま青を表していますし、「き」は黄ですね。
また「ちやこ」は茶でもいいのですが、わたしは多分チャコールグレイを意識してると思います。
単行本の24Pに岸田が青木知也子に
「「海」がかけるようになりたいって」
と言うくだりがありますけど、そこでの「海」の色の説明には
「ブルー」「レモンいろ」「グレイ」
とすべて出てきます。
岸田に絵を描くきっかけを与えた「海」。
夢(絵を描くこと)と現実に悩む岸田に描くことを決心させる「青木知也子」
「海」=「ブルー」「レモンいろ」「グレイ」=「青木知也子」=岸田にとっての絵を描くための
重要な転機。こんな意味がありますね、きっと。
青木知也子の名前についてちょっと考えてみました。深読みのしすぎかなぁ。
でも、名前に物語上の役割を投影する手法はそれほど珍しくないし、
岡野先生のことだから、そこまで考えてるだろうな。
と書いてきましたが、こういう話って有名なのかな。知らないのは私だけ?
それでは。
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