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アノニマの謎

記事番号:421
投稿者名:おおいしげん (http://sowhat.magical.gr.jp/)
投稿日時:1999/01/14(木) 15:45:54
『オリジナル・シン』第1巻 121頁から122頁にかけての記述で、アノニマの語源は
anonimであるとされています。さて、これは何語だろうと考えてみました。

まず、南米が舞台ということでスペイン語を調べてみますと、
    、       、
 anonimo, anonima:匿名の、無名の
というのがありますが、スペイン語には語尾の"o"や"a"が無い形(anonim)はあり
ません。

では英語かと思いましたが、収録語数では抜きんでているランダムハウスを調べて
も見つかりません。しかも、英語だと同義の言葉はanonymであり、iではなくなりま
す。
さらに語源をさかのぼってみますと、この言葉はラテン語、もっと突き詰めるとギリ
シア語から発する言葉なのですが、いずれも
             _                       _
 ラテン語 anonymus < ギリシア語 anonymos
です。

念のため他のヨーロッパ言語も調べてみましたが、フランス語anonyme、ドイツ語
anonymであり、解決になりません。唯一イタリア語はanonimoになりますが、舞台
設定からすればスペイン語が優先されます。

南米ということならば、ポルトガル語も考慮すべきかもしれませんが、設定から
すればありえないと思われます。というのも、洞窟遺跡は海抜5000mにあり(8頁)
2023年10月の時点でアノニマが活動している国にある(112頁)ことが示されてい
ます。南米において海抜5000mを越える地点があるのはアンデス山脈沿いの6か国
であり、南米で唯一ポルトガル語が用いられているブラジルは除外されるからです。

ただし、144頁を参照するとハイビスカスらしき植物があり、熱帯のように思われ
ます。アンデス山脈一帯は高山性の気候のはずですが、地球の温暖化が加速的に
進行したことで植生が変化したことによるものでしょう(笑)

スペイン語の話に戻りますが、「語源」とされているものは、スペイン語の語尾を
除いた部分を指す「語幹」の言い間違いかと考えることもできます。
しかし、そう考えるためには重大な難点があります。アノニマは「女」でなければ
ならないのです。
スペイン語に「匿名」を意味する単語が2通り(anonimo、anonima)あるのは男女
によって使い分けられるからです(いわゆる男性名詞・女性名詞の区別)。そして
末尾が"o"は男性で、"a"だと女性になってしまいます。

……という、思考の迷宮に入ってしまったん(^^;)


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