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ゴルドベルクを聴いてみる
記事番号:983
投稿者名:kita
投稿日時:2005/03/19(土) 03:53:52
引用記事:981
疲れたので酒をかっくらってます(なんで他人の臨時処理のケツを、2日も拭かにゃならんのだ)
つーことでヤツアタリ気味でかくのですが、高橋悠治のゴルドベルクは面白い。
これはですね、不協和音の世界に生きている人間が、意識的に平均律に合わせている演奏。
(レオンハルトという鍵盤楽器奏者が、平均律は飽き飽きした、と池袋の純正調のオルガンを
わざわざ選んだという話を昔きいた。そのオルガンはまだ故障中らしいが)
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高橋悠治のゴルドベルクには、主旋律が、ない。
すべての音がそれぞれの役割を「平等に」与えられている。
平等というと語弊があるだろう。
ひとつひとつの音が己の役割を果たそうとしている、という状況が、この記録(録音)にはある※。
まあそんなことは、ライナーノーツをよく読めばはっきりと書いてあるのだ。
高橋の文体は、花森安治を思い起こさせる。
花森という人間については雑誌編集者に質問するのがよい(知らない雑誌編集者はモグリだ)
『暮しの手帖』という雑誌の編集長だったのだが、都立三田図書館や江戸川区立小岩図書館に
一日こもって現物を読むのがよい。マイクロフィッシュでは得られない、手触りと視覚は重要だ。
花森はもう随分昔に戦死したが、高橋はまだ戦っている。非常に昭和的だが、いまだ戦っている。
えー、もういいかげんヨッパラッておりますが、ライナーノーツの最後の三行は、やっぱり
花森安治が『暮しの手帖』に書いたものを集めた『一銭五厘の旗』とラップして仕方がありません。
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クセナキス『ヘルマ Herma』は高橋アキの演奏で聴いた。初体験が生だったのは幸せだった。
クセナキスの音響(楽しくないから音楽ではない)は、録音ではギスギスした面しか残らない。
でも、ヘルマだけは美しいなあ。
この音響はですね、場所はどこでもいいけど風の強いある日、大きな木の根方に寝転がって
木漏れ日の動きを全身で感じ取る、そんな気持ちに変換できます。
いや、聴いた時は精神追い詰められて歪んでましたからアテになりませんが(笑)。
ただ、不協和音の美しさは、高橋アキの「ヘルマ」で教わりました。
ブルックナーにも不協和音が出てきますが、今風に言えば高橋兄妹とリンクを貼れるかも。
…無理かも。無理だろうなあ(笑)。でも根っこは近い。
なんでクセナキスが出てくるかというと、高橋兄妹とクセナキスは、兄は弟子、妹は演奏者、
ということで縁が深いから。もう眠いのでここまで。
※第26変装は顕著かと思ったが、聞き直してみるとそうでもないかも。
この記事に関する返答が, 984, 989 に続きます。
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