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面白い会社

記事番号:898
投稿者名:kita
投稿日時:2004/06/14(月) 23:24:18
タイトル通りではなくて、社会的制裁を受ける企業について。

まあそれにしても、ここ2、3年の不祥事企業バッシングは常軌を逸してますな。
30年前は「走行中火を噴く3気筒1,000ccエンジンを搭載した車」なんてのがあって、
それでもその会社は今も生き延びてますから、昔はゆとりがあったのか何なのか。


私が社会人のスタートを切った会社は、組織が面白いところで、
「忙しい役員のお心を煩わせてはいけない」という行動理念ですべてが動いていました。
具体的にどうするかというと、
○企画書を提出するときは、課長以上の人間が十人近くよってたかって、担当者の作った資料に
 質問をしまくります。
○ここで説得力のない回答しか作成できない個所は大幅に書き換え、再度全体の辻褄を合わせ、
 A3版一枚にレイアウトして提出します。
○役員会議で役員は、基本的にこの紙一枚“だけ”で判断を下します(紙は事前に配布されます)。
 勿論、企画を持ち出す担当役員は事前に担当者から色々レクチャーされてますが、
 その他の役員は紙ッぺラ一枚しか情報を与えられませんし、また進んで求めることもありません。
 

要するに「役員に考えさせない」方向で全てが動いている会社です。
想定問答を作り、整合がとれるように情報を加工し、量を制限した上で紙1枚に見栄えよく
(これが重視される)レイアウトするための工数はかなりのものです。
最低でも担当が1ヶ月かかりきりになりますね。

これでOKとれれば万歳して打ち上げやって、あとは野となれ山となれ。計画が倒れれば、
環境が変わった=世間が悪い、と口々に言い交わして皆納得という、これを繰り返してました。
今も繰り返しているでしょう。

企画を提出する側は「役員がお決めになったこと」
企画を承認するほうは「実務部隊を信頼した」
お互い言い訳が用意されているので、結果がどうなろうと「誰も悪くない」。面白い会社でした。

これが部内ではどういう形で現れるかというと、1,000円もしない備品を買うにも、
承認の必要な関係者4,5人に何度も繰り返し必要性を訴え、「誰も悪くない」状況を一から
構築することになります。大変な労力です。1,000円もしない備品ひとつ買うためにですよ(笑)。



一言で言えば「誰も何も決めなくていい、判断力なんて要らない、という道を自ら選択した会社」。

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まあ、人間は義務でやらされている物事に関しては変化を望まないものですし、
会社の金を使う場合は、リスクを下げるために十分検討するのは当然です。
しかしこれが度を過ぎて、金銭的リスク回避から人事評価面でのリスク回避…
「誰も悪くない、すなわち結果についてだれも責任を取らなくてもよい」状態を作る
…にまで範囲を拡大すると、社外に通用しない行動論理に変質してしまいます。

この論理が社外で通用すると錯覚したまま十年以上走ってきたところは、
お笑いというか自業自得というか。
でも当人達は、何故笑われてるのか理解できないんですね。
他の物差しを捨ててしまったので、立体的な視野での状況計測能力を持っていないんです。



いや、本当の所を言えば、ハナから社外の目なんて意識してないんですね。今もそうです。
ちょっと泣きつけば仲間うちで即座に多額のお金を用立てし「恵んでくれる」環境では、
そんなもの意識したって何のトクにもならないどころか、
内部では「組織のアイデンティティを脅かす危険思想」扱いになります。
…いいなあ、簡単に増資できて。資本金は基本的に返さなくていい金だからな。
この金で移転先に自社ビル建てたりしたら、それこそ茶番だな。


ハンドルと内容を見れば書き込んだ人物と企業が特定できてしまうので、具体名を書くことは
控えますが、十年勤めた時点で、既に愛想がつきてました。アウトソーシングされて良かった。



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