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タイトル:読んでみました
投稿者 :鞠香
投稿日時:1999/10/11(月) 19:14:44
引用記事:898
読んでみましたが、うーん、不思議なムードのお話でしたね。日本人の感性ではないかな??
冒険活劇のイリスとは少し違うみたい、でも石の精が流した涙は鉱石だったりで、類似点はありましたよ。
岡野さんも昔に読まれたのかも知れませんね。
色がとても素敵な木版画の挿し絵がついているのですが、岡野さんに漫画化して貰っても素敵かもと
思いました。なんとなく先生の絵が思い浮かぶ、少女漫画的な要素もあったりして。

鉱山の精(やまのあねさま)と人間の男の切ない恋物語と、そこで暮らす人々の様子をかいた話で、
一応ハッピーエンドでした。

やまのあねさまは自分の鉱山の管理人を追い出してやろうと、ある男性抗夫に声をかけます。
男はあねさまの願いを聞き入れ不思議な鉱山の地中へ(草花や全てが光る鉱石で出来ているので万華鏡
のように色が変化する現実離れした光景)誘われますが、婚約中の女を思いだし、気の優しいあねさま
の加護を得て無事その彼女と結婚します。
その後もつつがなく暮らしていた男一家でしたが、ある日あねさまが流した鉱石を握りしめ死んでしま
います。
さて、残された女には二人の男の子と末に女の子が一人居ました。この女の子は家族の誰にも似ず、小
麦色の肌と緑の目をした大変美しい子でした。年頃になるとなんにんもの求婚を受けますが全然相手にせず、
旅のおばあさんから教えて貰った刺繍を生業にして黙々とこなしておりました。
後に領主が求婚してきました。彼女は試すようにある広間で女王に会わせろと条件を出しますが、領主は
成就できずに彼女を手放します。それから、その少女を見た者は居ません、ただ鉱山の精が二人になった
という話だけが残されました。

また別の時、幸せに暮らしていた兄弟の中で背中にこぶを負い背むしの弟が居ました。
しかし彼は性格がよく頭も良く人気者でした。
彼の仕事は石細工、いつも仕事場の窓へやってくる、あの女の子にとっておきの細工物をあげようかと
迷っている間に意地悪な領主にその石を砕かれます。
激怒した彼は領主のおでこを殴りつけ出て行ったまま帰らなかったと言う、そしてその女の子も居なくな
りました。みんながいくら捜しても、彼どころか女の子さえも見つかりませんでした・・・

というお話。要するに男達はやまのあねさまの、鉱石で作られたその不思議な庭に行ってしまったという
んですね。これは私の解釈ですが、仲良く二人の姉様と暮らしてるんではないでしょうか。
小麦色の肌の少女は、男と姉様が結ばれて出来た子供を奥さんに産ませたのかなぁと考えていますが。

長くなりましたが、岡野要素は結構あります。よかったら読んでみて下さい。
ロシアだなぁ〜という、ちょっと切ない物語でした。イリスのようにスカッと爽やか冒険活劇のノリで
読むとがっかりするかも。もっとアンニュイ?でも途中はまるでディズニーだしな。

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