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タイトル:Re:少女漫画の定義
投稿者 :kita
投稿日時:1999/09/28(火) 00:12:28
引用記事:865
読んでいたら書きたくなってしまいました(笑)。
〉誰かの話もアニメの話もゲームの話も、みんな下敷きになる神話だったり世論だった
〉りの元の話があるわけですが、それを知り分析して自分のなかでミックスしてから描
〉いてほしいものです。描くということは、もっと昔の人の書物を読まなきゃね。
漫画の面白さには、
1 着想の面白さ(岩明均:寄生獣)
2 状況の面白さ(萩尾望都:11人いる!)
3 人物の面白さ(みなもと太郎:風雲児たち)
4 メッセージの面白さ(高屋奈月の書作品・・・面白いという言い方は不適当だけど)
などがあると思います。
また、「芸術とは己の感性の世界に他人を引きずりこむことである」
というようなことを川原泉が言ってます。
(銀のロマンチック・・・わはは、でしたか。うろおぼえでスミマセン。どなたか訂正してください)
もうひとつ、少女漫画の魅力は、
  だれもがみんな知ってるけれど、「だれもはっきりとは知らない」ことを、自分なりの切り口で
  紙の上に固定する
ところにあると思います。

三題話めいてきましたが、結論が想像できるように(笑)、
「どこかで読んだ話だ=知ってる話だ」と読者に思わせてしまうことは、想像力、ひいては感情移入
してもらう機会をみずから制限してしまうことになります。
人間だれしも、知ってることをもういちど知り直そうとはしませんから、
上にあげた1〜3の面白さをメインにしようとする場合、これはかなり大きな損失です。

一方、メッセージを伝える手段としての設定としては、
「これを削るとメッセージが成立しなくなる、絶対ゆずれない設定」
(ファンタジー用語では、世界観というのでしょうか)
があります。たとえば、筑波さくら:目隠しの国、草川為:逢瀬 は、シンプルな設定ですが、
これでなければ、作者は「だれもはっきりとは知らないこと」を十分に描き切れなかった、と
思います。
特に目隠しの国は、悪くいえばありきたりのメッセージですが、設定が与える切迫感で
読み手を自分の土俵に引きずり込んでしまいます(そこに感動が生まれる素地がある)。
そういう重要な要素ですので、あやふやな気持ちで考えたものは、読者に見透かされます。
〉ネットでファンタジー小説を読もうと検索したら、剣と魔法(しかも西洋のというか
〉指輪物語くさい。本人達は知ってるのか知らないが)ばっかりでショックでした。
〉岡野さんが1/2フェアリーで描いていた、その土地の風土から生まれた土くさいファ
〉ンタジーは今は流行らないんですかね。というかファンタジーとは剣と魔法の戦いの話
〉だけではないということは承知の上での執筆なのでしょうか。
強引に話を逸らしますが、その意味で、天原ふおんは今時珍しいタイプだと思います。
ひいきのひきたおしになりそうですが、この人は「知らないことは描けないよ」
という態度がミエミエ(苦笑)な反面、自分の知っていることは細やかに描ける人です。
設定はかなり思い付きで考えているようですが、その設定がないと成立しないメッセージを
あとからきちんと考えて話を提出してくるところはたいしたものです。

読み手は巻き込まれ、だまされたがっているのだから、描き書手は狡猾に、知恵をしぼって
あっぱれと誉めたくなるくらい鮮やかにだまして欲しいですね。

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